突然ですが、「分からない」を英語で言いたいとき、あなたは何と言いますか?
おそらく、「I don’t understand」と答えるのではないでしょうか。しかし、使う状況によってはかなり失礼になってしまうこともあります。
「そんなつもりは一切なかったのに……」と後悔してしまう前に、「I don’t understand」以外の表現も身につけましょう。
この記事では、さまざまな状況で使える便利な「分からない」の英語フレーズを例文とともに解説しています。英語学習の参考になれば幸いです。
なぜ「I don’t understand」だけでは足りないの?
「I don’t understand」は、学校教育でも習うシンプルでわかりやすい表現です。しかし、状況や文脈に合わせて「分からない」を伝えられた方が、コミュニケーションを円滑にできます。
逆に言えば、「I don’t understand」だけでは不十分なのです。
「I don’t understand」と「I don’t know」の違いは?知っておきたい基本事項
「I don’t understand」の代わりに、「I don’t know」も使用できます。それでは、「I don’t understand」と「I don’t know」の違いを正確に説明することはできますか?
この2つのフレーズは似ているようで、実は使い方が異なります。
「I don’t understand」と「I don’t know」を正確に使い分ける方法
2つの似ている表現「I don’t understand」の「I don’t know」の違いは、次の通りです。
・I don’t understand:理解できない、わからない
・I don’t know:知らない、答えられない
それぞれ例文とともに詳しく解説します。
「I don’t understand」の使い方
「I don’t understand」は、理解できない、わからないという意味です。さらに細かく意味を分類すると、次のようになります。
- 理由や動機が不明で、理解できない
- 問題が難しくて、理解できない
- 言葉・意味が不明で、理解できない
どの文章も「見たり、聞いたりしても理解ができない」というニュアンスを含んでいます。
「なんで?」「どうして?」
という感情が伴う場合は、
「I don’t understand」です。
「I don’t know」の使い方
一方、「I don’t know」は、知らない、答えられないという意味です。こちらは単純に何かに対する情報を持っていない状態であると考えると理解しやすいと思います。次のような場面を想像してみましょう。
- 住所や場所についての情報がない
- 問題や質問に対する答えが分からない
- 電車の到着時間についての情報がない
どの文章も「情報を持っていない」というニュアンスを含んでいます。
情報を持っていないだけなので、
「なんで?」「どうして?」
という感情が伴うことはありません。
日常英会話で使える「分からない」の言い換え表現は?
ここからは、「分からない」の英語フレーズをシチュエーションごとに紹介します。まずは、日常英会話で使える「I don’t understand」以外の言い換え表現を確認しましょう。
シンプルな言い換え表現
・I’m confused
・I can’t follow you
・I’m puzzled
ネイティブがよく使う表現
・It’s all Greek to me
・I’m lost
・I’m drawing a blank here
シンプルな言い換え表現
まずはシンプルで覚えやすいもの3つの表現から学習しましょう。
- I’m confused
- I can’t follow you
- I’m puzzled
1. 「I’m confused」の使い方
この表現は、何かが明確でない、または誤解や混乱を引き起こしている状況でよく使用されます。
2. 「I can’t follow you」の使い方
「follow」には、「~についていく」という意味があります。話や説明が複雑でついていけない、または理解が難しいときには、この表現を使用しましょう。
3. 「I’m puzzled」の使い方
「puzzled」の「puzzle」は、日本語でもお馴染みのパズルという意味です。パズルは複雑で難しいですよね。そのため、「I’m puzzled」は、何かが複雑または理解しきれないときに使えます。
それぞれの表現に細かいニュアンスの違いはあるものの、基本的には「I don’t understand」の代わりに使用可能です。
あなたの伝えたい気持ちに合わせて、3つの表現を活用しましょう。
ネイティブがよく使う表現
次は、ネイティブがよく使う「分からない」の表現です。これらの表現を使用していたら、英語話者としてのレベルがグッと高くなりますよ。
- It’s all Greek to me
- I’m lost
- I’m drawing a blank here
1. 「It’s all Greek to me」の使い方
「Greek」とは、ギリシャ語のことです。直訳すると、「それはすべて、私にとってはギリシャ語です」となります。
つまり、この表現は何かがまるでギリシャ語のように難しく、まったく理解できないときに使用されます。
2. 「I’m lost」の使い方
この表現は、迷子になった時にも使いますよね。これを会話中に使用することで、話の進行や状況についていけなくなったことを伝えられます。
日本語でいうと、「あれ?何の話してたっけ?」に近いです。
3. 「I’m drawing a blank here」の使い方
これは何かを思い出せない、または何かについて何も知らないときに使われる表現です。
ちなみに、「draw a blank」は「はずれくじを引く」という意味になります。
たとえると、思い出そうと脳内にある「記憶くじ」をいくら引いても、「当たりくじ(思い出したい情報)」が引けない、といった状況を表しています。
どれもネイティブが使う自然な英語なので、積極的に使ってみてください。
「I don’t understand」よりも、はっきりと感情を表すことができます。
ビジネスシーンで使える「分からない」の言い換え表現は?
ビジネスシーンで、日常英会話で使用するような表現を使ってしまうと、取引先や上司に良くない印象を与えてしまうかもしれません。
そこで、少し緊張感のある「分からない」を表すフレーズも合わせて学習しましょう。
ビジネスシーンで使える表現
・Could you clarify that for me?
・I’m not quite following you
・Could you elaborate on that point?
1. 「Could you clarify that for me?」の使い方
この表現は、話された内容があいまいだったときに使用できます。
ただ、「分からない」と伝えるのではなく、「分からないから、もっと詳しくお話していただけますか?」と聞き返すことで、より責任感のある返答が可能になります。
2. 「I’m not quite following you」の使い方
日常英会話で使える言い換え表現でも紹介した、「I can’t follow you」の応用例です。
同様に、相手が何を言っているのか理解できていないとき、または途中で内容が分からなくなったときに使用します。
3. 「Could you elaborate on that point?」の使い方
この表現も、「分からない」と伝えるだけではなく、「分からないから、詳しく説明してほしい」と、相手にお願いする表現です。
ビジネスシーンにおいて、「I don’t understand」だけでは無責任な対応になります。
たとえば、携帯電話を買い替えるときに「この機種っていくらですか?」って定員さんに質問をしたとしましょう。その時の答えが「分かりません」だけだったら、あなたはどのように感じるでしょうか?
少なくとも、「このお店で買い替えても大丈夫かな……?」と不安な気持ちになると思います。
ビジネスシーンでは、「分からない+α」が必要です。
例:分からないから質問する
気を付けて!誤解を招く「分からない」の英語表現
「分からない」を意味する英語フレーズは、他にもまだまだあります。ここで紹介するフレーズはとても便利ですが、使う時には注意が必要です。
カジュアルすぎる「分からない」の英語表現
ここでは、仲のいい友達同士ではよく使われるけど、ビジネスシーンなどには不適切な英語表現を3つ紹介します。
カジュアルすぎる表現
・I don’t get it
・I’m clueless
・It’s beyond me
「I don’t get it」の使い方
きっとNetflixや海外ドラマなどで一度は耳にしたことのある表現だと思います。
この表現は非常にカジュアルで、主に友達や家族との会話でよく使われます。逆に言えば、ビジネスシーンやアカデミックな場では、避けたほうが良いでしょう。
「I’m clueless」の使い方
「clue」はヒント、「less」は少ない、という意味です。つまり、この表現は「まったくわからない」という非常に強い意味を持っています。
そのため、親しい友達との会話など、気の知れた相手以外には、あまり使わない方が無難です。
カジュアルな表現は、ビジネスシーンでの使用は避けましょう。
「It’s beyond me」の使い方
この表現もカジュアル過ぎるため、フォーマルな場面での使用は避けましょう。「It’s beyond me」の直訳は、「それは私の理解を超えている」です。
つまり、その主題や議論については何もわからないと認めているようなニュアンスがあります。
この表現もカジュアルな場面や親しい人々との会話には適していますが、フォーマルな場面での使用は控えましょう。
硬すぎる「分からない」の英語表現
「カジュアル過ぎる表現は失礼だから……」と、やや硬めな表現を好む人もいるかもしれません。もちろん、それで問題はありません。とはいえ、あまりにも硬すぎる表現は使用すべきではないでしょう。
そこで、ここからは硬すぎる「分からない」の英語表現を3つ紹介します。
硬すぎる表現
・I can’t comprehend
・The point eludes me
・It’s abstruse to me
「I can’t comprehend」の使い方
この表現は、日常生活では話題にならないような難しい話題について話しているときに使われます。たとえば、量子力学とか法的契約などです。
そのため、この表現を使用してしまうと、会話が難しすぎるような印象を与えてしまうかもしれません。
「The point eludes me」の使い方
この表現は、話の要点が分からないときに使うことができます。しかし、日常で使用されることは少なく、本社との会議など、よりフォーマルなシーンで使われることが多いです。
「It’s abstruse to me」の使い方
こちらの表現も、「I can’t comprehend」のように、難しい話題のときに使用される「分からない」の英語表現です。研究会や討論などで使われることが多いです。
これらの表現は、学術集会などの非常にフォーマルな状況でよく使われますが、日常会話で使うと堅苦しいと感じられることが多いです。
日常生活では、硬すぎる表現は避けましょう。
まとめ:「分からない」の英語表現は、たくさんある!
「I don’t understand」以外にも、たくさんの言い換え表現があることがわかりましたね。
会話相手との関係や、会話場面を考えて適切な表現を使えるようにたくさん練習しましょう。おすすめの練習方法は、実際にその表現を使っていくことです。
『NativeCamp』なら、低額で英会話レッスンが受け放題なので、受講回数を気にすることなく、何度でも学習ができますよ。
もし、「英語学習が続けられない……」と悩んでいたら、こちらの記事もぜひ参考にしてください。英語学習を習慣化するとっておきの秘訣をたくさんご紹介しています。
コメント