突然ですが、“help”と”assist”の違いをご存知でしょうか?
どちらも「助ける」といった意味合いです。そのため、”Help me!”という表現を教科書や映画などで見たことがあるかと思います。
しかし、”Assist me”はあまり聞かないですよね。実はこれ、”help”と”assist”には微妙な違いがあるからなんです。この記事では、”help”と”assist”の違いについて、例文や例題とともに解説していきます。
10秒まとめ!”help”と”assist”の違い
・”help”…直接的・全面的な助けを意味する
・”assist”…間接的・専門的な助けを意味する
“help”について
“help”は一般的に、より直接的で全面的な助けを意味します。例えば、誰かが何かしらの困難を抱えていて、その困難を解決するために助言をしたり、手を貸したりするときによく使用されます。そのため、緊急性のある状況や強い必要性のある状況で使われることが多いです。
ちなみに、”help”をケンブリッジ英英辞書で調べてみると、このように定義されていました。
to make it possible or easier for someone to do something, by doing part of the work yourself or by providing advice, money, support, etc.
Cambridge Dictionary:help
“help”の例文
それでは、どのような場面で”help”を利用することができるのでしょうか?
例えば、次のような場面です。
より直接的かつ全面的な助けを意味するのが、”help”です。
“assist”について
一方で、”assist”は、より公式かつ間接的な助けを意味することが多いです。何か特定のタスクやプロジェクトにおける助けを求めるときによく使用されます。また、”assist”は、その助けに専門的な知識やスキルを必要とする場合にも、ひんぱんに使われています。
to help something develop or happen by providing money, support, etc.
Cambridge Dictionary:assist
“assist”の例文
“assist”は、何か特定の仕事や専門知識や高度なスキルが求められるときに使用される言葉です。
それを踏まえると、このように使うことができます。
より間接的かつ専門的な助けを意味するのが、”assist”です。
“help”と”assist”の違い
ここまで、”help”と”assist”について解説をしてきました。その違いをまとめると次のようになります。
“help”…より直接的で、全面的な助けを意味する単語です。
“assist”…より間接的で、専門的な助けを意味する単語です。
また、英語で”help”と”assist”の違いを学習したい方は、こちらのサイト(Help Me, Don’t Assist Me!)をご覧ください。
“help”と”assist”の違いが分かる例文
ここまでの解説をもとに、”help”と”assist”違いがよく分かる例文をご用意しました。それぞれ、どんな意味になるのかを考えてみましょう。
どんな箱を動かしてもらいたい?
①には”help”が使用されているため、直接的・全面的な助けを意味します。たとえば、引っ越し作業で複数の段ボールを動かしたいときに助けを求める場合は、この表現がふさわしいです。
一方、②には”assist”が使用されています。つまり、間接的・専門的な助けを意味します。たとえば、重たい木箱を動かすために、クレーン車を使用できる人に助けを求めるといった場面が考えられます。
どんなプレゼンテーションが求められている?
①は、”help”が使用されています。そのため、直接的・全面的な助けが求められています。たとえば、資料を印刷する、スライドを作成する、リハーサルを手伝うなど、プレゼンテーション作成を全面的に助けてほしい、というニュアンスで使用できます。
それに対して②では、”assist”が使われているので、間接的・専門的な助けが必要です。たとえば、データ分析やハイレベルなデザインの考案を求める場合などが考えられます。
“help”と”assist”の違いの理解度テスト
ここまで、”help”と”assist”の違いについて学習してきました。その知識を活用して、空欄に入るのは、”help”なのか、”assist”なのか、ぜひ考えてみてください。
1. As a nurse, she ( ) the doctor during surgeries and cares for the patients afterwards.
彼女は看護師として、手術中に医師を手助けし、その後は患者の世話をします。
2. My sister ( ) me prepare for my job interview by doing a mock interview with me.
お姉ちゃんは、模擬面接を通して面接の準備を手伝ってくれた。
※お姉ちゃんは、本物の面接官ではありません。
3. We have hired an event planner to ( ) us in organizing the company’s annual gala.
私たちは、毎年恒例の祝祭の運営を助けてもらうために、イベントプランナーを雇いました。
正解は?
わかりましたか?正解は、こちらです。
1. assists
2. helped
3. assist
かんたんに解説します。
1. As a nurse, she ( ) the doctor during surgeries and cares for the patients afterwards.
看護師は、専門性のある仕事です。そのため、看護師の手助けを表す場合は、“assist”がよりふさわしいと考えられます。
あとは、文章に合わせて”assists”と三単現のsをつければ正解です。
2. My sister ( ) me prepare for my job interview by doing a mock interview with me.
「面接の手伝いには、専門性が必要だからassistかな?」と考えた方もいるかもしれません。
しかし、お姉ちゃんは、本物の面接官ではありません。つまり、専門性がないのです。そのため、直接的で全面的な助けを意味する“help”がよりよいと判断できます。
そして、日本語を見てみると過去形なので、時制を過去に合わせて”helped”にすれば正解です。
3. We have hired an event planner to ( ) us in organizing the company’s annual gala.
イベントプランナーも専門性のある仕事です。そのため、”assist”を使用することで、その専門性の高さを表現できます。
最後に、英文を見てみると、( )が”to”の前にあることが分かります。ここから、不定詞であると判断できるので、現在形の”assist”が適切な答えになります。
まとめ
今回は、”help”と”assist”の違いについて例文とともに解説を行いました。
“help”は、直接的で全面的な助けを意味することが多いです。「洗濯物を干すの手伝って―」とか、「英語の宿題が分からないから、ちょっと教えてー」みたいなカジュアルな場面では”help”を利用するといいでしょう。
一方で、“assist”は少しフォーマルな場面で使われることが多いです。”help”とは違い、より間接的で専門的な助けを意味しています。そのため、「〇〇の件で融資を受けたいのですが、ご支援いだけますか?」とか、「車が動かなくなってしまったので、直していただけませんか?」みたいな場面では”assist”を使用するとよりよいです。
このように、細かい文法は自分で調べてみても「これでいいのかよく分からないな……」と感じることが多いでしょう。そこで、オススメなのが添削してもらうことです。166円で添削を行ってくれるサービスもありますので、自力で学習するのが苦手な人は活用してみるといいかもしれません。
また、他の記事でも、文法事項に関する解説をしています。あわせてご覧ください。
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